夏の暑い時期になり、涼しい格好で遊んだり、プールに入ったりと肌を露出する機会が多くなります。そんな季節だからこそ、
「子どもに水いぼができた!どうすればいいの?」
「お友達にはうつるの?」
「予防するにはどうすればいいの?」
といったことが気になりますよね。まずは、次の3つのことを確認しておきましょう。
【1. 水いぼは丸くて中央にくぼみがある、つやつやしたいぼ】
水いぼは正式には伝染性軟属腫という1~10mmの丸いいぼで、中央には少しくぼみがあり、つやつやしています。触るとやわらかく、中には原因となる伝染性軟属腫ウイルスを含む液体が入っています。そのため、水いぼをひっかくなどしてその液体が出てくると、あちこちに水いぼが増えていきます。
【2. 水いぼは自然治癒を待つ、またはピンセットで摘除する】
治療に関して「本人は気になっていないみたいですが、なかなか治りません」という質問をよく受けます。弱いウイルスが原因ですので、特別な治療をせずに自分の免疫の力で自然治癒するのを待つこともできます。ただ、自然治癒にかかる期間は個人差があり、数ヶ月程度から2-3年と様々です。
水いぼが1、2個で体の目立たない場所にあって変わらないようであれば、自力で治ることを期待して様子をみることが多いです。
水いぼをひっかいてしまい数が増えてきたら、自力で治るのを待つのではなく、治療除去した方がいいかもしれません。具体的には治療用のピンセットでつまんだり、液体窒素で焼くなどして、水いぼを取り除きます。
【3. 水いぼをうつさないために、タオルやお風呂場のマットレスはこまめに洗おう】
予防に関して「お友達にうつしますか?」という質問もよく受けます。弱いウイルスなので、強く触れ合った時にのみうつります(接触感染)。そのため、お風呂の水やプールの水からうつることはありません。タオルやお風呂場のマットは、水いぼがある部分に直接触れるため、共用するとうつしてしまうことがあります。ですので、タオルやマットレスは、共用しないこと、こまめに洗うことが大切です。
また、直接触れたから、必ず水いぼができるとも限りません。子どもの体調・皮膚のバリア機能によります。なお、大人が発症することは、めったにありません。
【4. 水いぼの予防には皮膚の保湿ケアが大切】
水いぼの予防は、皮膚の環境を整えること、つまり保湿をしっかりとすることです。
乾燥や湿疹がある皮膚はバリア機能が弱くなってしまい、ウイルスが入り込みやすい状態になってしまいます。朝晩に皮膚にベタつく程度の軟膏を皮膚に塗ってあげることが大切です。皮膚のバリアを保ってあげることで、ウイルスの侵入を防ぎます。
小児科オンラインはこれからもお子さんの発疹・感染症に関わる疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 蘇哲民)
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