嫌いな音で耳をふさぐ、偏食が強い、落ち着いて座っていられない。お子さんのこんな行動が気になったことはありませんか?
もしかすると感覚の受け取り方の違いに起因するものかもしれません。症状や対処法について考えてみたいと思います。
【感覚過敏とは日常生活に支障をきたすほど感覚が鋭敏な状態】
感覚の受け取り方には個人差が大きいのですが、感覚の受け取りが日常生活に支障をきたすほど大きく鋭敏な場合に、感覚過敏と表現します。
多くの人は、無意識のうちに五感から得られる情報から必要な情報だけ残し、不必要な情報は捨てていますが、この情報処理に偏りがあると、周囲からの情報や刺激を過剰に受け取ってしまうことになります。
感覚過敏は特に発達障害(自閉症スペクトラム、ADHD)と診断されている子どもで多いと言われています。問題のようにみえる行動の原因となっていることもありますが、周りからは理解されないことも多いです。
【感覚過敏では苦手な刺激を嫌がります】
その子によって、どの感覚に過敏があるかは異なります。
【苦手な刺激を避ける・弱める、または適切に慣れさせてあげましょう】
感覚過敏なお子さんへのサポートは、苦手な刺激を避ける・弱めること、または適切に慣れさせてあげることが基本的な方針となります。具体的には以下のような対処をしてあげましょう。
①苦手な刺激を避ける
行動の理由や気持ちをじっくり聞いて苦手なものを一緒に考えてみましょう。どうしても苦手な刺激がある時は一時的に別の場所で過ごす、代用法を考えるという選択肢もあります。
②アイテムを活用し苦手な刺激を弱める
イヤーマフ、耳栓、サングラスなどを着用させてあげましょう。
③苦手な刺激をあらかじめ関係者に伝えておく
保育園や学校などの先生に伝えてあげることが大切です。
④感覚統合療法を行う
周囲からの様々な刺激・感覚を整理して、無意識に適切な行動にうつす際の、頭の中でのプロセスを「感覚統合」と言います。
感覚統合にはたくさんの感覚の中でも「触覚」「前庭覚」「固有覚」が特に重要とされ、それらを遊びや運動を通して学び練習することを感覚統合療法と言います。
⑤薬物療法を行う
本人の辛さが強い場合に薬の服用を行います。
お子さんの行動を違った視点で見てみると、新たな発見があるかもしれません。
小児科オンラインはこれからもお子さんの腎臓、感染症に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 佐藤舞)
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