小児科オンラインジャーナル

2020.10.16

定期接種はじまる、ロタリックスとロタテックの違いとは?

2020年10月からロタウイルスワクチンが定期接種となる見込みです。日本で接種できる2種類のロタウイルスワクチンについて解説します。

■ロタウイルスワクチンはロタウイルス感染症を予防します

ロタウイルスワクチンは、ロタウイルス感染症(多くの子どもがかかる嘔吐・下痢を起こす胃腸炎と、多くはありませんが脳炎などの重い合併症)を予防するためのワクチンで、世界中で広く用いられています。

日本では2011年に承認され、任意接種として接種されてきましたが、この度2020年10月からの定期接種化が決定しました。定期接種の対象は、2020年8月以降に生まれたお子さんです。7月までに生まれたお子さんは、生後2か月になったら任意接種でロタウイルスワクチンを受けることをおすすめします。自費接種となりますが、自治体によっては補助が出ることもありますので、お住まいの市町村へご確認ください。

■2種類あるワクチンの効果は同等です

日本で接種可能なロタウイルスワクチンには、ロタリックス®とロタテック®の2種類があります。ワクチンに含まれているウイルスの種類に違いはありますが、どちらのワクチンも有効性、安全性はほぼ同等であることが日本を含む世界での実績からわかっています。また、合計の費用もほぼ同じとなるように設定されています。

■2種類のワクチンの大きな違いは接種回数

ロタリックス®は生後6週から24週までに2回経口接種(注射ではなく口から飲むワクチンです)、ロタテック®は生後6週から32週までに3回経口接種することになっています。

生後15週以降は、腸重積というまれな合併症の発症リスクが増える可能性があるので、原則的に初回接種ができません。生後14週6日までに、初回接種するようにしましょう。

接種できる時期が短いワクチンなので、かかりつけの小児科とも相談し、同時接種も活用しながらスケジュールを立てることをおすすめします。

小児科オンラインはこれからもお子さんの発達に関わる問題を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 舟越優)



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