小児科オンラインジャーナル

2021.06.02

赤ちゃんの目の異常~見逃さないためのチェックリスト~

赤ちゃんの「目」に関しては、様々なご相談が寄せられます。この記事では、生まれてから生後6ヶ月までに、赤ちゃんの目の異常を早期に発見する上で、おさえておきたいチェックポイントについてお伝えしたいと思います。

■生後6ヶ月までは視覚の発達にとても大切な時期(視覚感受性期)

赤ちゃんの見る機能は、生まれる前から発達し始めます。そして生後6ヶ月までの間は他の時期と比べて、とても速いスピードで発達するとされています。生まれてから2歳ごろまでは、視力の発達への感受性が高い時期(視覚感受性期)と言われており、目の病気など何らかの問題が生じて正常に発達ができないと、「見る機能」に影響を及ぼす可能性があり、注意が必要です。この感受性は、大人と同じ視力を獲得できるようになる8歳ごろまで残ると言われています。また赤ちゃんは、見ることで目の使い方を学習し、その情報が脳に伝わり様々な面で発達していきます。したがって、医師の指示なく眼帯など、目に何かを被せたりする行為は、様々な発達に影響を及ぼす可能性がありますので、くれぐれもしないようにしてください。

■赤ちゃんの目の異常を見逃さないためのチェックリスト

赤ちゃんの目の異常は、発見が早ければ早いほど治療が有効なため、見逃さないためにも、おうちでの日々の観察がとても大切になります。生後6ヶ月までの赤ちゃんの年齢別チェックポイントをまとめてみましたので、活用してみてください。

<誕生から生後3ヶ月頃のチェックポイント>
・黒目が濁ったり、白くみえたりしないか (特にフラッシュ撮影の際)
・黒目が黄緑色に光って見えることがないか
・涙の量が異常に多くいつも涙目になっていないか
・白目が充血して赤くなっていないか
・濃い黄や緑色の目やにが出ていないか
・黒目の大きさが左右で違わないか
・光に対し執拗に眩しがらないか
・まぶたも含めた、目の見た目や形の異常がないか
・黒目が小刻みに揺れていないか

<生後3ヶ月から6ヶ月頃のチェックポイント>
上記に加え、
・フラッシュをたいて正面の顔写真を撮った際、フラッシュの反射が瞳の真ん中からずれて映らないか(光を当ててみるのも良い)
・目と目の間をつまんでみると、片目が内側によっているように見えないか
・目線が合わないことがあるか
・ものを目で追うことができるか

<年齢によらないチェックポイント>
・片目を隠すと嫌がって顔を背けたりしないか

詳しくは、日本医師会・日本眼科医会監修の「目の健康チェックシート」もご参考になさってください。
もし上記チェックリストで心配なことがあったり、赤ちゃんの目の発達で何か心配と感じる場合には、迷わずお近くの小児科、眼科にご相談ください。

小児科オンラインはこれからもお子さんの眼、発達に関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 西澤和子)



便利でお得なキッズリパブリックアプリのダウンロードはこちら。

小児科オンラインジャーナル一覧へ戻る