小児科オンラインジャーナル

2024.06.28

熱中症対策!どんな水分を、どれくらいとればいい?

暑さがつづくと「脱水にならないかな?」「熱中症の対策ってどうしたらいい?」などと心配になりますよね。

お子さんの水分のとり方について解説します。

■イオン飲料は、飲みすぎに注意!

イオン飲料は、ミネラルを含むため水やお茶よりも体に吸収されやすく、熱中症対策に適しています。

しかし、良い点ばかりではなく、糖分も含まれており、カロリーが高いため、満腹感も強くなります。
また、糖分を処理するために体内のビタミンB1を使うため、飲みすぎるとビタミンB1が不足します(心臓の動きなどにも影響します)。

母乳・ミルク・麦茶などとローテーションしながら、イオン飲料をうまく取り入れると良いですね。

■母乳やミルクも、立派な水分対策

まだ母乳やミルクしか飲んでいない、生後5ヶ月くらいまでのお子さんは、母乳やミルクのみで十分です。

むしろ、母乳やミルク以外の飲み物(麦茶や水、イオン飲料など)が多くなりすぎると、身長や体重の増加にも影響します。
どうしても心配であれば、いつもより少し授乳の回数を多くするだけでも十分な対策になります。

また、離乳食がスタートしているお子さんであれば、お味噌汁やスープも水分や塩分をとれるのでおすすめです。
「わざわざ」水分をとらせると嫌がるお子さんでも、お食事の時なら受けつけてくれるかもしれません。

■とる水分の量は、お子さんの体重によって決まります

そもそも、熱中症などに限らず「1日にとるべき水分の量」は、お子さんの体重によって決まります。

<1日あたりの水分量>
・5kg → 500 mL
・10kg → 960 mL
・15kg → 1260 mL
・20kg → 1500 mL

これに加えて、熱中症の応急処置としてどれくらいの水分をとればいいかは、下記のような目安があります。

<熱中症の応急処置として、とるべき水分量>
・~1歳:1kg あたり 30~50 mL(5kgのお子さんなら、150~250mL)
・1歳~5歳:1日あたり 300~600 mL
・6歳~:1日あたり 500~1000 mL

上記2点をふまえると、たとえば 5kg のお子さんなら、
・普段から 1日500 mL の水分をとっていること
・熱中症が疑われた場合は、さらにプラスして 150~250 mL の水分をとること
が推奨されている、という意味です。合わせて 1日650~750 mL ということですね。

■脱水かどうかは、尿やぐったり感で判断を

とはいえ、親御さんが思うように、お子さんがすすんで水分を飲んでくれないことも多いですよね。
脱水かどうか心配になってしまいますが、下記を参考に、落ち着いて判断しましょう。

<受診が必要な「脱水」の目安>
・ぐったりしていて、活気がない
・12時間以上、尿が出ていない
・嘔吐や下痢がつづいている   など

多少おしっこの色が濃くなることはよくありますが、それは必ずしも脱水というわけではありません。
むしろ、水分を体にしっかりためこむために、体の調節機能が正常に働いている証拠でもあります。

熱中症対策では、イオン飲料を飲みすぎないように注意しましょう。
母乳やミルク、スープやお味噌汁を上手に取り入れることが大切です。
また、1日に必要な水分補給量や脱水による受診の目安を知って、元気に暑さを乗り切りましょう。

小児科オンラインはこれからもお子さんのアトピーに関する疑問を解決するために情報を発信していきます。
(小児科医 白井沙良子)

・片岡久子、肺高血圧で発症したイオン飲料多飲による脚気衝心の1例、日本小児科学会雑誌、2012、116(8), 1228-1232
・日本小児歯科学会、イオン飲料とむし歯に関する考え方
・長野県佐久医師会、教えて!ドクター、熱中症
・UpToDate, "Recent-onset constipation in infants and children"



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