春休みももうすぐ終わりですね。
今回は、きょうだいの受診についてきてくれる子のお話です。
待合室にお迎えに行ったときにきょうだいがいれば
「一緒についてきてくれたんだね、よかったらみんなでどうぞ」
と招きます。
きょうだいがいてくれると、
「おねえちゃん、おうえんしていてね」
「ほら、みてくれてるよ、せーの」
などと声かけがしやすく、診察室での一体感のようなものが高まります。
実際に、乳児でも「ふがふが、うーうー」となんとなく応援してくれていて、
「おお、しゃべっておる、、、」とみんなで勇気が出たりします。
さらに、きょうだいが参加していると、医療者の説明も、おのずとていねいになります。
きょうも、肺炎の説明をしているときに、お兄さんが
「これは◯◯くんのしゃしん?」
「だから、まいこぷらずま、かもしれないってことか」
と合いの手を入れてくれるので、
おのずと説明は小学生もにもわかるような内容をはさんだ感じになりました。
実は、そのほうがご家族にも伝わりやすいこともあるかもしれないですよね。
専門用語を使って、質問はありますか、となりがちな診察室で、
きょうだいの参加は、いいバランスをとってくれるな、と思います。
感謝ですね~。
なにより彼らは帰っても一緒にいるのです。
わたしたち医療者よりもずっとずっと、長い時間。
おなじ屋根の下のきょうだいがお互いを理解して応援しあえるようなお手伝いを、できたらいいなと思います
(小児科医 山口有紗)
山口先生のきょうの診察室への想いについてはこちら。
https://www.kidsrepublic.jp/pediatrics/today/detail/vol00.html
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<プロフィール>
小児科医師。専門は子どものこころ。
目指しているのは、「子どもとその周囲が、少ししんどいときにこそ、安心してつながることのできる社会」。
高校を中退後、単身渡英し、ロンドンのインド人病院でボランティアを行う。
帰国後は京都で働きながら児童養護施設や不登校の子どもとかかわる。
大学入学資格検定に合格後、立命館大学国際関係学部で開発支援や母子保健を学び、約30の国や地域を歴訪。
卒後山口医学部に編入し、医師免許取得。国立国際医療研究センター病院小児科コース研修医、東京大学医学部附属病院小児科、茅ヶ崎市立病院小児科を経て、2017年4月より国立成育医療研究センターこころの診療部や児童相談所などで子ども・家族のこころの診療に従事。
診療の傍ら、子どもに関わる多様な専門家がつながるコミュニティ「こども専門家アカデミー」を主宰している。
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